2025年のM-1グランプリ決勝進出者が発表されると、SNSで一気に注目を集めたのがヨネダ2000です。
女性コンビで唯一M-1の決勝に進出を果たし、多くの視聴者に強いインパクトを与えました。
ハリセンボン以来、13年ぶりの快挙です。
その背景には、「女性芸人」という属性を飛び越え、大会が求める「漫才の強度」と「戦略的な判断」がありました。
一方で、直前に放送された女芸人No.1決定戦「THE W」には出場していないことも話題に。
そこで、
なぜヨネダ2000はM-1で評価され、決勝まで進むことができたのか。
また、なぜTHE Wには出場しなかったのか。
今回はその理由を大会の性質やヨネダ2000のお笑いに対するスタンスから考察します。
ヨネダ2000がM-1決勝に進めたのはなぜ?その理由とは
ヨネダ2000がM-1で評価されている最大の理由は、
からではないでしょうか。
彼女たちの漫才は、共感型や応援型ではなく
- 設定の強度
- ボケの異質さ
- ツッコミの間と精度
- ネタ全体の完成度
といった、M-1で重視されやすい要素が非常に明確です。
特に、独特な空気感のボケと、それを無理に説明しないツッコミは、
- 分かる人には一発で刺さるわかりやすい作り
- ネタに飾りっけがなく観客の反応に媚びすぎていない
ネタの構成になっています。
これらはM-1で重視されやすい、爆発力や瞬間的な印象の強さと相性が良いと言えるでしょう。
特に評価された漫才の構造は以下の点に集約されます。
設定の強度とボケの異質さ
誰もが知る日常の行動(例:合唱、デート)を、強引に自分たちのワールドに引き込む力が抜きん出ています。
「餅つき」や「漫才中に曲を歌い出す」といった予期せぬ展開を繰り出し、ともすれば観客を置き去りにしそうなほど異質でありながら、予測不能で独自の世界観で一気に観客を引き込みます。
この独特な空気感のボケが、M-1が求める「異質感」として強く刺さりました。
実際にM-1グランプリやその他の舞台で披露してきた漫才ネタからも、その傾向は明らかです。
ツッコミの間と精度
ボケが異質であるにもかかわらず、それを無理に説明したり観客に媚びたりしません。
独特なボケに対して、ツッコミが絶妙な「間」と「精度」で入りネタ全体の完成度を高めています。
余計な設定や振りがなく、純粋に笑いの構造だけで勝負している姿勢が、審査員やコアなお笑いファンに強く評価された理由だと考えられます。
なぜヨネダ2000はTHE Wに出なかったのか
では、女芸人No.1を決めるTHE Wに出場する資格がありながら、なぜヨネダ2000は出なかったのでしょうか。
それは、THE Wに出ないという選択は
という戦略的な判断だったという可能性が極めて高いでしょう。
ここで重要なのは、「THE Wが悪い」「M-1が上」という話ではありません。
両大会はそもそも性質が大きく異なります。
| 大会 | 最も重視される要素 | 評価の性質 | 競技性 |
| M-1 | 漫才の構成、完成度、爆発力 | 競技型・批評型 | 結果がすべて(性別・キャリア不問) |
| THE W | 多様な芸風、タレント性、背景 | 発掘型・肯定型 | 応援ムードが強い |
THE Wが「女性芸人の多様性を見せる場」であるのに対し、M-1は「今年、最も強い漫才を決める場」という競技性の高い賞レースです。
ヨネダ2000の漫才は、「女性芸人としてどうか」よりも、「この漫才が面白いかどうか」という構成と完成度が最優先されるM-1の環境の方が、実力を最大限に発揮できるタイプだと言えます。
こちらの記事でTHE Wの性質についてまとめています

THE WとM-1の違いから見えるヨネダ2000のお笑いのスタンスとは
THE WとM-1の違いを整理すると、ヨネダ2000の立ち位置がよりはっきりします。
ヨネダ2000は、そのどちらにも属せる存在でありながら、あえてM-1という最もシビアな舞台を選びました。
これは、
- 性別で語られたくない
- 実力一本で評価されたい
- 一番シビアな舞台で勝負したい
という覚悟の表れにも見えます。
結果として、彼女たちは「属性に頼らず、実力でM-1決勝に行った」という、最高にクールなブランドイメージを確立しました。
このストイックな姿勢こそが、コアなファンや審査員からの評価を決定づけ

男芸人と同じ土俵で勝負して決勝行くの熱い
というSNS上の共感を呼んだのです。
まとめ
ヨネダ2000がM-1決勝に進めた理由は、純粋に漫才の構造が強く、面白いと評価されたからです。
そして、THE Wに出なかった理由も「自分たちの笑いが最も正しく評価される場所を選んだ結果」と考えると、非常に筋が通っています。
そもそもTHE WとM-1は性質が大きく異なる大会であり、彼女たちはその違いを理解した上で、最も厳しい舞台で勝負する覚悟を示しました。
M-1決勝の舞台で、ヨネダ2000がどんな漫才を見せてくれるのか。
その一挙手一投足に、今まで以上の注目が集まるのは間違いなさそうです!






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